安心・安全・使いやすい 家造り

欠陥住宅にあわないために ---家をつくろうとする人に知って欲しいこと----

リフォーム工事をお考えの方へ

■なぜリフォームが必要なのか■

もともとリフォームを必要とする要因に、建物は年月を経るにしたがい、木材の腐朽などの性能低下が起こります。これを「経年劣化」と呼んでおり、その性能回復を図る工事があります。つぎに、時代や住み手の年齢の変化にともなう生活の仕方・ライフスタイルの変化に合わせた工事が必要になります。さらに、地震や台風などの自然災害を教訓にした安全・安心な家づくり知識の普及、建築基準法施工令の改定もたびたびおこなわれてきました。それらに適合するための工事もありましょう。東海地方特有の要因として「いつ来てもおかしくない」という東海・東南海地震への不安から、耐震補強を兼ねたリフォーム需要もあります。
近年、このようなリフォームを希望する住み手・消費者が、悪質業者に騙されるという被害の急増がみられます。
築80年の家ということは、経年劣化の箇所が多数存在する可能性や、建築基準法施工令(とくに昭和56年耐震基準が大幅に改定)がたびたび改正され、安全性や快適性の確保には多くの工事が必要になる場合があります。
このような建物をリフォームするためには、現況建物を総合的に、また詳細に調査したうえで、住み手のライフスタイルを考慮したリフォーム計画が必要になります。また、リフォームは工事を着手した後に、工事費の追加が必要になることが多々あります。これはクロスなどの仕上げ材に隠れていて、まえもって判断不能の部分が、構造体や設備を含めて起きる可能性が高いということです。このために必要な工事範囲の確定、適正な金額の確定を施工者以外の専門家に業務依頼することがたしかな道となります。

■多発するリフォーム被害者■

ところが、リフォーム被害の多くの場合は、営業、および契約のしかたが、「この地域を一斉に実施しているので今なら格安です」「キャンペーン中でお安くできます」「モデル工事として格安にいたします」「屋根や床下の無料点検を実施中です」などと、訪問販売や点検商法によって被害にあっています。これらは現状建物の調査をほとんどおこなわずに、給排水管の洗浄や耐震補強、床下や小屋裏の換気の改善と称しながら、ほとんど、またはまったく無駄な補強や換気扇を、明細見積りのない、ときには不備な契約書を基に法外な金額で施工させています。また、部屋のリフォームも高齢者の住宅なのにバリアフリーの配慮をまったく欠いたものもあります。
実際にあったリフォーム被害例から、その実態をあきらかにいたしましょう。
このお宅は築70年の木造2階建て、延床面積約29坪の住宅で、3年間に4社が連続して23回の工事をおこない、その総額は2500万円を超えました。契約のしかたは、「屋根瓦がずれたり割れているようですので、無料で見てあげましょう」「床下の湿気で木が腐ったり、白アリ被害の可能性があります。無料で見ましょう」という点検商法に始まり、住み手が高齢者夫妻で判断能力に欠けることがわかると、つぎつぎと巧妙にリフォーム契約をさせていきました。
その特徴をあげてみます。
第一に、耐震補強の基本は床面積に対する耐力壁の量とそのバランス、基礎の安全性と柱との緊結が重要です。ところがすべてのリフォーム会社が面積や平面図を調査せず、耐震上は二次的な部分の各種金物補強、塗布補強、床束設置をおこない、しかも3社の重複があり、過剰で無駄な工事でした。
第二に、防アリ、防腐、床下と小屋裏の良好な環境確保は、床高の確保、防湿措置、換気口の間隔と大きさ、防虫網の設置、防腐、防蟻剤措置などによって行われ、特別に必要とする場合のみ、換気扇や調湿剤が設置されます。
ところが、床下や小屋裏の具体的調査内容をあきらかにせずに、床下には換気扇を2社が重複、除湿機や空気浄化機までもが設置され、除湿剤にいたっては3社が重複していました。しかも換気扇が外気に接して取り付けられておらず、吸排気能力に欠ける欠陥工事でした。また、点検時にリフォームの口実にされた白アリ駆除や防アリ措置は何らおこなわれていませんでした。
第三に、小屋裏の断熱工事は断熱面を隙間なく充填することが必要なのに、一部分だけの充填であり、しかも隙間のあるずさん工事で、断熱効果がほとんどないものでした。
第四に、屋根葺き替え工事は7年前に葺き替えたばかりの日本瓦であり、経年劣化はあまりないと推測されます。仮に一部に割れやずれがあっても、その部分の補修で済むはずのものを、軽量瓦に全面葺き替えがおこなわれ、しかも翌年には、屋根全面の瓦留めラバーコート施工も施されていました。
第五に、内部の浴室、トイレ、厨房、床材などのリフォームが数多くおこなわれていましたが、明細のない契約見積りで、高齢者使用であるにもかかわらず、浴室は0.5坪タイプのままで何のバリアフリー機能もなく、また温水の出ない洗面所、背が高すぎる厨房などの工事がおこなわれていました。
以上にみられるように、どれもが契約前に専門家に相談すれば、あまり意味のない割高工事であることがわかり、被害は防止できたと考えられます。
住み手・消費者の皆さんは、リフォームするにあたり、計画の作成や設計監理を専門家に依頼すること、施工も長年その地域で営業している所在が明確で評判の良い工務店・リフォーム業者に依頼すれば、本当に必要なリフォーム工事が適正な金額で行えることをぜひ知ってほしいと思います。


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